田中 譲 教授

(TANAKA, Yuzuru)

メッセージ

大学とは本来、学生が自らの将来を意識し、入学した各学部で様々な専門科目を主体的に選択し、それらに取り組む「学びの場」です。学生の皆さんは、入学した学部を意識し、自分の学びの関心を確認し、学ぶことに少しでも慣れて下さい。多分、何かの科目に興味・関心を持ったとしても、様々な誘惑があり、また学習での苦労や面倒、退屈等に襲われ、学習や思考からの逃避が生じるでしょう。例えば、講義中の内職、スマートフォンや私語、貧しい読書経験等。本当に、学びの実践は容易ではありません。しかし、学びの姿勢や習慣が形成されると、それらは将来、職業活動において(例えば仕事仲間とのコミュニケーション等)また家族生活において(例えば自分の子供への学習アドバイスや進学相談等)、役立ってくれます。こうした学ぶ姿勢・習慣や能力の形成に、学生とその家族は、(もっと有効な使い道があるかもしれない)貴重なお金(授業料等)や(学習や通学のための)時間を投資しているのです。この点を念頭において、大学生活を過ごして下さい。時に緊張やストレスを緩めリラックスしながら(これが行き過ぎると、大学が大「学」ではなく、レジャーランドの大「楽」となりますから、要注意です)、時に真摯にそして真剣に、学習や思考に徐々に慣れながら、在学中に皆さん各自の学びや思考のスタイルを作ってみて下さい。

自然と社会の双方に関心をもつように心がけ、私なりの文理融合の研究・教育を目指している私ですが、その内容を通じて、熱心な学生の方の学びの習慣形成のお手伝いができれば、うれしいです。

プロフィール

オフィスアワー 2020年3月末退職予定のため、2017年度以降はプロジェクト研究募集およびオフィスアワーは行いません。
担当科目 産業政策と環境問題、消費者政策論
研究テーマ 物質経済と人間と健康との関わりの研究
最終学歴 一橋大学大学院 博士後期課程
学位 商学修士(一橋大学)
所属学会 エントロピー学会、環境経済・政策学会、日本疫学会

担当するプロジェクト研究について

人間の物質経済(特に物質財の消費活動)と健康との関連、或いは自然環境と健康の関わりについて学び、人間の健康、或いは健康面から重要な自然環境についての政策への関心とその立案能力を形成します。私のプロジェクト研究の内容は、人間の(肉体または精神いずれかの)健康に関する文理融合的なテーマの学習です。そのテーマでは、人間の健康生活に最優先の価値を与え、文系科目として経済学(また必要に応じて、消費者と企業の行動理論)、理系科目としては主として生物学(とくに進化論や自然人類学に関わるそれ)、脳科学等のトピックスに焦点を当てながら、研究・学習を進めます。経済系の知識を学んだとしても、健康の達成こそが最優先の価値観だという点に注意しましょう(つまり、健康無き<例えばメタボリック症候群や依存症等に支配された>経済的・金銭的豊かさや享楽は、克服や矯正の対象なのです)。なお、プロジェクト研究発表会の報告テーマの準備と研究・学習では、人間の特定の疾患や障害を選んで議論するため、その都度各疾患・障害の知識やデータをその都度学習することになります。受講生には、講義に、以上の私のプロジェクト研究の学習内容についての概要や質問を念頭において臨み、自分が何を学んでいるのか他の人に少しでも説明できるようになることを期待します。

私が関わるプロジェクト研究発表会の回数は残すところ僅かですが、以下に、私が指導してきたプロジェクト研究生が、総合政策学部の開設以来これまでプロジェクト研究発表会で発表してきた報告テーマ一覧を参考として記しておきます。

【普段の授業内容】

2年次 春学期と秋学期の通年において、上で紹介した研究内容をすすめるために作成したレジメの、輪読、参加者各自の報告、質疑応答を行い、プロジェクト研究発表にむけて基礎知識と学習・発表ノウハウを学びます。
3年次 秋学期開催のプロジェクト研究報告会の準備として、テーマ発掘・絞り込み、報告内容の骨格作成、参加者の研究役割分担の決定、個人発表・報告、各種プレゼン資料作成、プレゼン予行演習、報告会参加、報告会後の反省会等、を通年かけて個人発表またはミーティングとして行います。
4年次 当プロジェクト研究のテーマを選び、個人単位で卒業研究を行います。

【これまでのプロジェクト研究報告会テーマ】

  • (2016)果たしてスマホは悪者なのか~若者の学力形成の観点から~、(2015)現代における免疫低下の原因と清潔意識の問題、(2014)IPS細胞技術が変える血液事業と日赤のミッションの変貌、(2013)現代社会と発達障害の関係性!?:トワイライトスクールからのアプローチ、(2012)日本における美容整形と男女の将来、(2011)ギャンブル依存症と家族: 自発的治療プログラムの提案、(2010)食の変化による現代の子供の口腔障害と対策、(2009)日本人の食と病の変化と食の戦略提案: メタボリックシンドロームの時代、(2008)女性の喫煙に関する政策、(2007)経済の自由化と人間の健康: 残酷ゲームを事例として

著書

発行年月日 書籍名 出版社
2004年3月 『消費者問題と消費者保護』(共著分担) 成文堂
2003年12月 『日本物質文明論序説─人間生態的アプローチをめざして─』 五絃舎
1988年5月 『最新商品研究入門』(共著分担) 中央経済社

論文

2007年 「物質経済と人間生命の融合研究:その持続可能性視点と人間観」 『総合政策フォーラム2007』 (中京大学総合政策学部)
1999年 「日本の物質文明の商品学と家計の資源論」 『商品研究』(日本商品学会学会誌) 第48巻第3・4号
1996年 『消費財商品研究での資源視点の根拠: 開発的な小空間密集社会からの研究材料「消費財商品」』 『商品研究』第47巻第1・2号
1994年 “Role and Direction of Household Analysis in Consumer Commodity Research” 『商品研究』第45巻第1・2号
1994年 『商品評価の分析に向けて─資源利用社会の視座と規範─』 『商品研究』第44巻第3・4号
1993年 “Commodity Analysis from Household Resources Aspect and a Framework of Household Life Management and Demand” 『中京商学論叢』第39巻第2号
1991年 “Socioeconomic Analysis of Consumer Commodities and Life-Managerial Perspective” 『中京商学論叢』第38巻第1号
1988年 “Memorandum on a dynamic Approach to Modern Consumption” 『中京商学論叢』第35巻第1・2号
1987年 “On the Participation Commodity” 6th IGWT symposium proceedings I

その他

学会報告 「物質の介在に着目した家庭経済生活と健康に関する研究-疫学・公衆衛生学と経済学の出会いから(当時自治医科大学・現浜松医科大学屋島俊之氏との共同報告。2006年1月日本疫学会第16回日本疫学会学術総会講演集)
「物質文明論と消費視点の課題」(中京大学社会科学研究所消費者問題プロジェクト研究会; 2002年10月 中京大学八事キャンパス)
「財と消費からの日本物質文明論に向けて─家計生産論視点の検討─」(エントロピー学会名古屋懇談会; 2001年3月 中京大学八事キャンパス)
「日本の物質文明と家計生産論的接近」(日本消費経済学会中部部会; 2000年12月 愛知学院大学楠元校舎)
啓蒙冊子 「企業の社会性への意識を養う」『ライフ・キャリアの道しるべ』(2006年中京大学総合政策学部)